撤退体験談・異業種転職事例

公認会計士試験を撤退し、人材紹介会社のキャリアアドバイザーへ。「迷い続けた経験」が転職の武器になった理由

同期の合否を横目に見ながらの3年間

短答式に3回挑戦したAさん(26歳)は、予備校の同期が次々と合格・撤退していく中、 自分だけが立ち止まっているという焦りを強めていった。「模試の成績が伸びないこと以上に、 同期が合格・撤退の形で”前に進んでいく”のを横目で見続けることの方がつらかった」という。 3回目の不合格を機に、周囲へ撤退を伝える決心がついた。

「撤退の経験」は人材業界の選考でどう見られるのか

未経験からキャリアアドバイザー(人材紹介会社で求職者の転職支援を担う職種)を目指す場合、 一般的には接客業・営業経験が「人と向き合う力」の証明として評価されやすいと言われる。 Aさんにはそのどちらの経験もなかった。

転職活動で最も時間をかけたのは、「なぜ会計士を辞めたのか」「なぜ人材業界なのか」という 2つの質問に、一貫した答えを用意することだった。

「最初は『撤退した理由』と『人材業界を選んだ理由』を別々に説明しようとして、話がバラバラに なっていた。面接官に響いたのは、両方をひとつの話としてつなげたときだった」

Aさんが最終的に整理した答えはこうだ。3年間、合格の可能性と時間・費用のバランスを取りながら 「続けるか、撤退するか」を考え続けたこと自体が、求職者が「転職するかどうか、どの会社を選ぶか」 を迷う過程に近い経験だった、という結び方だ。撤退したという結果ではなく、迷い続けたプロセスを 評価してもらう伝え方に変えてから、選考の通過率が上がったという。

現在の仕事

現在は人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして働いている。求職者との面談、職務経歴書の添削、 企業とのマッチング、条件交渉のサポートなどが主な業務だ。

「求職者の方の多くは、転職するかどうか、今の会社に残るべきかで迷いながら相談に来る。 自分自身が3年間、続けるか撤退するかを迷い続けた経験があるからこそ、『まだ決めきれていない』 という状態そのものを否定せずに話を聞けていると感じる」

撤退経験を人材業界で活かしたい人へ

Aさんの経験から見えてきた、撤退経験をキャリアアドバイザー職の選考で伝える際のポイントを整理する。

  • 「撤退した理由」と「志望動機」を別々に語らない: 2つをひとつのストーリーとしてつなげることで、 一貫性のある人物として伝わりやすくなる
  • 結果ではなくプロセスを言語化する: 「受からなかった」ではなく、 「何を基準に、どう迷い続けたか」を具体的に説明できるようにしておく
  • 人材業界内の職種の違いも押さえておく: 求職者支援を担うキャリアアドバイザー(CA)と、 企業側の採用を担うリクルーティングアドバイザー(RA)では、求められる強みの方向性が異なる

受験経験を職務経歴書や面接の言葉にどう翻訳するかについては、 「受験経験の翻訳」カテゴリーの記事も参考にしてほしい。

今、迷っている人へ

「撤退を決めるまでの迷いの期間は、無駄な時間ではなかった。今はその迷いの経験自体を仕事に活かせている」

受験期間
受験専念3年(短答式受験3回)
撤退時期
3回目の短答式不合格後、周囲に撤退を伝える決心がついたタイミング
現在の仕事
人材紹介会社のキャリアアドバイザー

※個人が特定されないよう、複数の相談事例をもとに再構成しています。

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