撤退体験談・異業種転職事例

公認会計士試験を撤退し、IT企業のカスタマーサクセス職へ。「継続力」を志望動機にどう変えたか

論文式2回目の不合格、見えなくなった見通し

短答式合格までに時間がかかったこともあり、Tさんの受験専念期間は合計4年に及んでいた。 論文式を2回受けたが、いずれも合格には届かず、次の受験までの生活設計に見通しが立たなくなったタイミングで撤退を決めた。

「家族に経済的な負担をかけ続けることへの抵抗感が一番大きかった」とTさんは話す。

「合格実績がない」ことへの向き合い方

転職活動を始めてまず直面したのは、会計士受験生向けの求人がほとんど存在しないという現実だった。 異業種でも受験経験が通用するのかという情報を集めるところから始める必要があったという。

応募書類では、合格していないという事実をどう扱うか悩んだ。最終的には、 学習計画を立て直し続けてきたプロセス自体を実績として書く方向に切り替えた。

現在の仕事内容

現在はIT企業でカスタマーサクセス職に就いている。顧客の運用課題をヒアリングし、 社内の開発・サポートチームと調整する役割を担っている。

長期間成果が出ない状況でも学習計画を立て直し続けた経験は、顧客対応で行き詰まった状況を分解し、 次の一手を考える力に近いとTさんは感じている。

カスタマーサクセス未経験採用で見られること

カスタマーサクセスは、顧客との折衝経験や課題解決経験、データに基づいて状況を整理する力が 評価されやすい職種だと言われる。一般的には接客・営業経験がその証明として語られることが多いが、 Tさんにはどちらの経験もなかった。

そこで伝え方を変えたのが、「合格実績」ではなく「行き詰まった状況にどう向き合ってきたか」だった。

「論文式に2回落ちた事実だけを見れば、ただの不合格。でも、なぜ伸びなかったかを分析して 学習計画を都度立て直してきたプロセスを話すと、『それはまさにカスタマーサクセスの仕事の進め方と同じ』 と面接官に言われた」

顧客が成果を出せずに行き詰まっている状況を分解し、次の一手を一緒に考えるという業務の進め方と、 「成果が出ない中で学習計画を立て直し続けた」という経験は、面接官にとって想像しやすい共通点だったという。

受験経験をカスタマーサクセス職で活かしたい人へ

  • 「合格実績」ではなく「行き詰まった状況への向き合い方」を語る: 結果ではなくプロセスを 具体的なエピソードとして説明できるようにしておく
  • 受験科目名を職務経歴書にそのまま書かない: 「監査論を学習した」ではなく、 「複数の要因が絡む問題を切り分けて整理する訓練を積んだ」など、職種の言葉に翻訳する
  • 面接官がカスタマーサクセスの業務と結びつけやすい共通点を先回りして示す: 顧客対応と学習の進め方の共通点は、面接官の側からは気づきにくいため、自分から言語化する

受験経験を職務経歴書・面接の言葉にどう翻訳するかについては、 「受験経験の翻訳」カテゴリーの記事も参考にしてほしい。

今、迷っている人へ

「合格していないことに引け目を感じていた時期もあった。でも今の職場では『最後まで粘って考え続けられる人』 として見てもらえている。撤退は逃げではなく、状況に応じた判断のひとつだと今は思える」

受験期間
受験専念4年(短答式合格後、論文式2回受験)
撤退時期
論文式2回目不合格後、次の受験まで待つ期間の生活設計に見通しが立たなくなったタイミング
現在の仕事
IT企業のカスタマーサクセス職(顧客の運用課題をヒアリングし、社内の開発・サポートチームと調整する役割)

※個人が特定されないよう、複数の相談事例をもとに再構成しています。

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