撤退体験談・異業種転職事例

公認会計士試験を撤退し、メーカーの管理部門へ。実務未経験でも評価された「数字を読む力」

判定が上向かないまま迎えた撤退の決断

短答式に2度挑戦したSさんは、模試の判定が上がる兆しが見えないまま2年半が経過していた。 「このまま続けても、合格までの期間が読めない」という不安が大きくなり、2回目の不合格を機に撤退を決めた。

実務未経験という壁

転職活動で直面したのは、経理・財務の実務経験がないという壁だった。 簿記論・財務諸表論の学習歴をどう実務経験の代わりとして伝えるか、書類作成の段階から工夫が必要だった。

現在の仕事

現在は製造業の管理部門で、予算管理・実績分析を担当している。 会計基準への理解があることで、他部門よりも早く数字の意味を読み取れる点を評価されているという。 長期間の試験勉強で培った資料の読み込み方も、実務でそのまま活きていると感じている。

経理実務未経験でも管理部門で評価された理由

一般的な経理職の求人では実務経験が重視されやすいが、メーカーの管理部門・経営企画は 「経理の実務経験」よりも「数字を分析し、意味を読み取る力」が問われる場面が多いという。

「経理未経験で応募できる求人は多くなかったが、予算管理・経営企画寄りのポジションでは、 簿記論・財務諸表論をどこまで学習したかを具体的に聞かれた。仕訳が切れるかどうかより、 数字の変動要因を説明できるかどうかを見られている感覚があった」

書類作成の段階から、簿記論・財務諸表論の学習歴を「実務経験の代わり」としてそのまま書くのではなく、 どのレベルの論点まで扱えるかを具体的に示す形に書き直したことで、選考の通過率が変わったという。

受験経験を管理部門・経営企画で活かしたい人へ

  • 「経理実務経験なし」と「会計知識ゼロ」を混同しない: 求人票の「実務経験必須」は 記帳・伝票処理などの実務を指すことが多く、分析力を問う管理部門・経営企画とは評価軸が異なる場合がある
  • 学習範囲を具体的な論点レベルで説明する: 「財務諸表論を学習した」ではなく、 「収益認識やのれんの扱いなど、決算数値に影響する論点を学習した」など粒度を上げて伝える
  • 資料の読み込み方・分析の型を、業務に近い言葉に翻訳する: 長期間の学習で培った 「情報を整理し、要因を分解する」進め方は、予算差異分析等の実務にそのまま近い

受験経験を職務経歴書・面接の言葉にどう翻訳するかについては、 「受験経験の翻訳」カテゴリーの記事も参考にしてほしい。

今、迷っている人へ

「実務未経験であることは不利に働く場面もあった。でも数字を読む力そのものは評価してもらえた。 会計業界以外にも、数字を扱う仕事は思っていたより広かった」

受験期間
受験専念2年半(短答式受験2回)
撤退時期
2回目の短答式不合格後、模試の判定が下降傾向に転じたタイミング
現在の仕事
製造業の管理部門(経営企画寄りの予算管理・実績分析業務)

※個人が特定されないよう、複数の相談事例をもとに再構成しています。

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