論文式に何度も受からない。続けるべきか、「三振」前に考えたい判断軸
論文式に受からない年数が続くと、何を考えればいいのか
短答式に合格し、論文式の受験資格を得たあとも、論文式に合格できない年数が続くと、 「このまま続けていいのか」という迷いが強くなる。特に、短答式免除の期間が残り少なくなってくると、 焦りと疲労が重なり、冷静に判断することが難しくなりやすい。
このページは、論文式が続けて合格に届かない状況にある人が、続けるか撤退するかを考える際に 整理しておきたい判断軸をまとめたものだ。撤退を勧めるものでも、継続を勧めるものでもない。
「三振」という制度上の期限を正しく理解する
論文式に合格できないまま、短答式免除の期間を使い切ってしまうタイミングは、俗に「三振」と 呼ばれることがある。この言葉の響きから、あたかも「失格」のような印象を持つ人もいるが、 制度上はあくまで「短答式からもう一度受験資格を得直す」という手続き上の区切りに過ぎない。
大切なのは、この制度上の期限と、自分の中にある「もう限界かもしれない」という感覚を、 いったん分けて考えることだ。制度上はまだ受験を続けられる状況でも、心身が先に限界を迎えている 場合もあれば、逆に制度上の期限が近いという焦りだけで、本来もう少し続けられる可能性を 見誤ってしまう場合もある。
論文式の成績推移をどう見るか
短答式に合格した実績があるということは、一定の基礎学力があることの証明でもある。 その上で、論文式でどの科目が繰り返しボトルネックになっているかを書き出してみてほしい。
- 直近の答練・模試で、合格ラインとの差は縮まっているか、横ばいか、開いているか
- 特定の科目(会計学・監査論・租税法等)で毎回同じようにつまずいていないか
- 得点の絶対値だけでなく、周囲の受験生と比べた順位はどう推移しているか
「今年はいけそうな気がする」という体感だけでなく、こうした数字を並べてみることで、 残りの受験可能回数の中で合格の見込みがどの程度あるかを、より現実的に検討しやすくなる。
「三振」後にもう一度短答式から始めるという選択
短答式免除の期間を使い切った場合、もう一度短答式から受け直すという選択肢も制度上は残っている。 これを選ぶかどうかは、単に「まだ諦めたくない」という気持ちだけでなく、 判断軸を整理した記事で挙げた「これからの期待値」 「生活の見通し」「年齢・タイムリミット」を、もう一度当てはめて考える価値がある。
短答式から受け直すことは、時間的にも精神的にも決して軽い選択ではない。 一方で、論文式まで到達した経験と学習の蓄積がゼロになるわけでもない。
続ける場合・撤退する場合、それぞれに向けて今できること
続けると決めた場合は、これまでの答練・模試の記録をもとに、ボトルネックになっている科目・論点を 具体的に洗い出し、残りの受験可能回数の中でどう配分するかを一度計画に落とし込んでおきたい。
撤退を考えている場合は、実際に撤退後どのようなキャリアがあり得るのかを先に知っておくことで、 判断がしやすくなることもある。 撤退後に異業種へ転職した人たちの体験談も参考にしてほしい。
ひとりで抱え込まないこと
論文式の受験を重ねるほど、周囲に相談しづらくなるという声はよく聞かれる。 制度上の期限が近づいている今だからこそ、一人で抱え込まず、今の状況を一度誰かに話してみてほしい。